タイトル:「無題」
秋風と君は嬉しそうに笑う。 小さな笑い声が響く昼下がり。
温かく紡がれる時は緩やかに流れ去ってゆく。
小さく息をつけば揺れるココアの湯気。
優しく、朱が差す空は早く帰りなさいとささやいた。
「そろそろお別れの時間だね」
君がそう呟けば僕はそうっと頷く。 橙色に彩られた街に僕らは小さく手を振った。
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